共有価値の創造を通じ、社会とともに成長する企業グループをめざして
写真:上原 弘久

株式会社T&Dホールディングス
代表取締役社長
上原 弘久

T&D保険グループは、太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命の生命保険会社3社を中心に、生命保険事業を中核とする企業グループです。2004年に生命保険会社3社が保険持株会社であるT&Dホールディングスのもとに結集してから15年が経過しました。この間に、企業と社会の関係を見る目は変化してきました。企業には社会を変える力があり、社会にはより良い企業を育む力があるという見方は、広く世界の投資家、企業、消費者、地域社会の中で共有されるようになったと思います。
当社グループは、2005年からCSRレポートを発行してきましたが、今回の2019年版から「サステナビリティレポート」に改称しました。広く社会貢献活動も含む「企業の社会的責任」であるCSRの大切さは変わりません。それを踏まえたうえで、企業の事業活動と社会の関係を見つめなおし、名称を新たにした当レポートで、「価値の創造を通じて、人と社会に貢献する」ことを企業理念とする私たちの思いを、改めてみなさまにお伝えするものです。

T&D保険グループのCSRは新しいステージへ…共有価値の創造

当社グループは、100年以上の長い歴史を持つ保険会社を中核企業としており、それぞれが長年にわたり特色ある社会貢献の取組みを行ってきました。2011年にグループが一体となってCSRに取り組むため、グループ会社横断の組織である「グループCSR委員会」を創設。グループ各社独自のCSR活動をグループ協働の活動とすること、また、テーマを定めてグループ一体となって新たな施策に取り組むことで、グループとしての思いを形にするCSRを推し進めてきました。
この間に、2015年には世界の国々が協力して取り組むパリ協定の採択とSDGs合意があり、2017年には世界最大の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がESG投資を開始しました。CSRは、企業が行う社会貢献活動から、社会に向けた価値の創造とそれを通じた企業成長の取組みであるとの理解が進んだと考えています。そしてこの考え方は、当社グループが発足したときから一貫して持ち続けている経営理念である、「価値の創造を通じて、人と社会に貢献するグループを目指す」ことと一致するものです。当社グループのCSRも着実に進化してきました。私たちの思いと世界のみなさまの企業に対する期待が同じ方向を向いた今、当社グループのCSRは、新しいステージ「共有価値創造経営」に入ります。

T&D保険グループCSRの軌跡
																									2004 T&Dホールディングス設立
																									2005 CSRレポート発行
																									2006 グループCSR憲章施行
																									2007 国連責任投資原則(PRI)署名/太陽生命
																									2011 グループCSR委員会設置
																									2012 国連責任投資原則(PRI)署名/T&Dアセットマネジメント
																									2014 21世紀金融行動原則署名
																									2015 国連グローバル?コンパクト署名、パリ協定採択、SDGs合意
																									2016 国連責任投資原則(PRI)署名/大同生命
																									2017 GPIFがESG投資を開始、TCFD提言
																									2019 グループCSR委員会をグループSDGs委員会に改編
																									共有価値の創造を目指す経営を明確化
T&D保険グループの目指す姿…共有価値創造と経営戦略

当社グループは2019年度を始期とする中期経営計画「Try & Discover 2021 共有価値の創造」を策定しました。全体方針に、「コアビジネスの強化」と「事業ポートフォリオの多様化」を通じ、「絶えず変化する人と社会の課題の解決に貢献することで、社会とともに成長する保険グループをめざす」ことを掲げました。目指すグループ像には、共有価値の創造を中心に置き、当社グループの強みを活かした「共有価値の創造」の主なテーマを定め、事業領域を広げて社会に価値を創造していくことを表明しました。
中期経営計画策定に先立ち、私自身が委員長を務めるグループCSR委員会※1において、SDGsの17の目標と169のターゲットから、当社グループが強みを活かして解決に貢献できる社会の課題を抽出。そこから、4つのグループCSRの重点テーマ※2を選定しました。これらのテーマは、中期経営計画に記載した事業を通じた「共有価値の創造」により実現されます。社会的課題の解決を通じて持続可能な社会を実現すること、社会に価値を創造することで当社グループも企業として持続的に成長していくことを経営計画全体を貫く方針とし、日々の事業に取り組んでいきます。

※1 2019年4月よりグループSDGs委員会に改編

※2 「すべての人の健康で豊かな暮らしの実現」「すべての人が活躍できる働く場づくり」「気候変動の緩和と適応への貢献」「投資を通じた持続可能な社会への貢献」

価値創造を通じたSDGsへの貢献…サステナブルな世界の発展/SDGs

既にお話ししたように、当社グループのCSRは、長い歴史を持つ企業の社会貢献の活動から、社会的課題に向き合い社会に価値を創造する経営へとそのステージを進め、共有価値創造を中期経営計画の目指す姿に置きました。これにより、CSRはこれまで以上に経営と一体化します。
絶えず変化する人と社会の課題は、当社グループにとって挑戦すべきビジネスチャンスでもあります。保険グループである当社グループの特色と強みを活かし、事業活動のなかで人と社会の課題に向き合い、課題解決に貢献することを通じて社会に価値を産み、同時に企業価値を向上させていきます。
共有価値創造を経営計画の目指すところに置いた当社グループにとって、行動の結果はより良い世界の実現を目指すSDGsへの貢献と結びついていなければなりません。そして、当社グループの持続的成長を目指す行動の結果が、サステナブルな世界の発展への貢献となるよう事業を牽引していくことが私の役割です。

[企業の行動] CSR 社会の課題の解決に貢献する行動
																									商品?サービスの提供、人材活用?人権対応 等、環境保護?社会貢献?ガバナンス
																									企業価値の向上 事業を通じた共有価値の創造
																									CSRの推進とサステナビリティの実現
																									[価値創造の実現/ゴール]
																									サステナビリティ実現 SDGsへの貢献
世界と共有する思い
写真:上原 弘久

大型台風や集中豪雨などの自然災害の頻発、被害拡大は、わが国だけでなく広く世界が憂慮しているところです。ほかにも、さまざまな人権の課題、社会的?経済的な格差の拡大、技術革新が産み出す新しい格差や雇用の変化、多くの先進国が向き合う少子高齢化の進展に伴うさまざまな困難など、多くの社会的課題があることは世界が共有する認識でしょう。
当社グループは、2015年に、国連が提唱する持続可能な成長を実現するための国連と企業の協力の枠組みである、国連グローバル?コンパクト(United Nations Global Compact)の理念に賛同。T&Dホールディングスがグループを代表して、人権?労働?環境?腐敗防止の4分野10原則を支持する国連事務総長宛の書面に署名して、グループとして責任ある行動をとる活動に参加しています。また、国連が機関投資家にESG(環境?社会?企業統治)を考慮した投資を促す行動規範である、「責任投資原則(PRI)」には、太陽生命が国内生保で初めて2007年に署名。T&Dアセットマネジメントは2012年、大同生命は2016年に署名しており、グループをあげてESG投資の分野でもサステナブルな世界の実現に貢献する取組みを進めています。パリ協定で、世界が協力して取組むことに賛同した気候変動の緩和と適応への取組みには、幅広い事業活動のなかでの温室効果ガス排出量を削減する取組みと、機関投資家としての緩和と適応に貢献する取組みを続けています。
人権の尊重に関しては、グループCSR憲章においてすべての人の人権の尊重を表明し、従業員の人格と多様性の尊重、健康で安全に働ける環境作りに取り組んできました。なかでも、女性が従業員の多数を占める当社グループにあって、女性の能力発揮は持続的な企業価値向上のための重要な経営課題です。女性の活躍を支援する取組みは、人事?処遇制度の改革、ワーク?ライフ?バランスの推進、能力開発の支援など、多面的、継続的に進めています。

T&D保険グループの経営方針とサステナビリティ

生命保険業を事業の中心に置く当社グループの特徴の一つに、事業の長期性があげられます。個人のお客さまとはお客さまの人生の大部分の時間を、法人のお客さまとは世代を超えてさらに長い時間を、一緒に歩ませていただきます。グループの経営計画の策定にあたり、長く存続し、安定的に成長していく企業とはどのような企業なのかを改めて考えました。見えてきたのは、個人のお客さまにも法人のお客さまにも、なくてはならないと思っていただける企業。時代を超えて、広く社会から信頼され、必要な会社と認めていただける企業と理解しました。社会は、少しずつ、そして確実に変化しています。社会の課題も絶えず変化しています。私たちが、ずっとお客さまとともに歩んでいくために必要なのは、常に社会の課題に向き合い、社会が必要とする価値を提供し続けることです。
私たちT&D保険グループは、常に社会と価値を共有し、社会とともに持続的に成長する保険グループであることを目指し、これからも一歩一歩、その歩みを続けてまいります。

2019年9月